推進工法体系 T 推進工法技術編

第2編 大中口径管推進工法

第6章 関連工種

6.1 長距離推進工

6.1.1 長距離推進の定義

推進工法は、様々な技術の開発により切羽の安定、推進延長の長距離化、曲線の施工等に対応してきた。このような技術の中で、長距離推進に対応するものとして中押工法の発明や滑材の開発による推力の低減がある。中押工法は、総推進力が推進管の耐荷力、元押設備能力および支圧壁背面地山の支持力を上回った場合に適用されるもので、推進延長の制限を解消することができるが、反面、中押の使用段数が増えると使用段数に応じた推進時間が必要となるため日進量の低下を招くというデメリットも持っている。この他にも、掘削土砂の搬出、測量、緊急時における管内作業員の安全確保等、推進距離の長距離化に伴い解決しなければならない事項が増えてくる。

このようなことから、「一区間の推進延長が推進管呼び径の250倍(250・D)を超えた場合、または500mを超えた場合」は長距離推進と定義する。

長距離推進における主な検討項目は、次のとおりである。

  1. 工法の選定
  2. 推進力の低減方法
  3. 掘削土砂の搬出方法
  4. 測量の方法
  5. 作業員の安全確保(推進管内作業の制限)

なお、推進管呼び径2000以下の施工においては、施工効率の低下、坑内作業環境の悪化、万一の場合の避難行動の制約等を考慮して、当面の間、推進管呼び径の500倍(500・D)までが長距離推進の適応範囲とされている。この適応範囲を超える施工については、土質および地下水圧を考慮し、推進力の低減、管内作業の自動化等に対応した装備を実装し、安全の確保を確実にしなければならない。

6.1.2 工法選定上の制約
  1. 開放型(刃口式推進工法)の適用制限

    刃口式推進工法による長距離推進は、切羽掘削作業における緊急避難時の管内の安全な通行性を確保するために、推進管呼び径2000以下は避ける。

  2. 密閉型機械推進における制約

    泥水式、土圧式、泥濃式等の密閉型機械推進工法により推進管呼び径2000以下の長距離推進を行う場合は、緊急災害時の待避の困難さを考慮して掘進機は遠隔操作とし、掘進中は推進管内に立ち入る必要のない施工方法を選定することが望ましい。

6.1.3 推進力低減方式の検討

総推進力は先端抵抗力と周面抵抗力の和として求められるが、長距離推進においては、滑材効果を確実にし、周面抵抗力を低減する必要がある。

通常の推進における滑材注入は先頭推進管に設けた1ヵ所から行われるが、長距離推進においては、滑材注入後の時間経過、後続推進管の通過、地下水による希釈・変質等によって、滑材効果が減少することが考えられるため、後続の推進管からの注入が必要になる。

なお、推進延長が長くなるに伴い後続推進管に設ける注入孔の数が多くなるため、滑材注入効果を確実にするためには、次の推進力低減方式を採用することが望ましい。

  1. 一次・二次滑材注入方式

    掘進機の切削による孔壁を保持して滑材効果を持続させるために、適切な間隔で先頭管および後続の推進管から自動的に滑材注入を行う方式である。二系統配管で一次は管と地山の間隙分を注入、二次は注入上限圧力と注入時間を設定し自動的に注入するため、注入孔の数が多くなっても、注入位置の選定、注入順序、1ヵ所当りの注入量・注入時間・注入圧力等が任意に設定でき、確実な周面抵抗力の低減効果を得ることができる。(図2.6−1参照)

  2. 滑材・地山混合層形成方式

    推進管先頭部分から推進速度に合わせ、同一円周上に一定量の滑材を順次注入すると同時に注入孔後方の攪拌装置により地山と滑材を混合して滑材・地山混合層を形成させる方式である。滑材・地山混合層が長時間滑材効果を保持できるテールボイド層となり、この層で推進管を覆うことにより周面抵抗力の低減を図ることができる。(図2.6−2参照)

  3. 縁切り層形成方式

    掘進機の外径を制御管より大きくし、掘進に伴って発生するテールボイドに固結型滑材を一次注入し、その後方の一次滑材層と推進管の間隔に液状型の二次滑材液状型を同時注入することで、推進管の周囲に二層の滑材層を形成する方式である。一次滑材により二次滑材の地山への逸散や地下水との希釈が防止でき、液状型滑材の効果により周面抵抗力を低減することができる。(図2.6−3参照)

図2.6−1 一次・二次滑材注入方式
図2.6−1 一次・二次滑材注入方式

図2.6−2 滑材・地山混合層形成方式、図2.6−3 縁切り層形成方式

図2.6−2 滑材・地山混合層形成方式

図2.6−3 縁切り層形成方式

6.1.4 掘削土砂搬出方法の検討

長距離推進における掘削土砂の搬出は、推進管内の搬送距離が長くなるため、各工法ごとに搬出方法、搬出装置の能力等を検討する必要がある。

  1. 刃口式推進工法

    刃口式推進工法における掘削土砂の搬出は、一般にトロバケットにより行われる。トロバケットは人力またはウインチにより引き出すのが一般的であるが、推進延長の増加とともに搬出時間が長くなるため、長距離推進においては、トロバケットによる搬出は現実的でなく、バッテリカ、モノレール等の使用や流体輸送の適用が望ましい。

  2. 泥水式推進工法

    泥水式推進工法は泥水の還流による流体輸送で掘削土砂の搬出が行われる。しかしながら、長距離推進では輸送管路が長くなり、特に、排泥管路は流体抵抗が大きくなると切羽に設定圧力以上の過剰な水圧が作用し切羽圧力の制御が不可能となる場合がある。したがって、泥水輸送設備計算に基づき、排泥管路中に中継ポンプを設置し、流量(管内流速)の確保と切羽圧力の制御が確実に行えるようにする必要がある。

    なお、中継ポンプを推進管内に設置する場合は、中継ポンプの大きさ、設置位置等を検討し、測量の視準および通行路の支障にならないようにしなければならない。また、中押設置箇所では、泥水配管の伸縮の吸収を検討しておかなければならない。

  3. 土圧式推進工法

    土圧式推進工法における掘削土砂の搬出には、トロバケット又は土砂圧送ポンプが使用されている。

    トロバケットの使用は刃口式推進工法と同様に長距離推進においては現実的でなく、バッテリカー、モノレール等の使用が望ましい。

    土砂圧送ポンプを使用する場合は、本体および油圧ユニットの大きさ、設置位置等を検討し、測量の視準および推進管内作業の支障にならないようにしなければならない。また、長距離推進においては圧送管路が長くなるため土砂圧送ポンプの輸送能力が不足する場合がある。したがって、土砂の流動性を高める添加材の追加による土砂搬送性の改善、あるいは複数台の土砂圧送ポンプを設置し、段階輸送を行なうことも検討しておく必要がある。

    なお、推進管呼び径が比較的小さく土砂圧送ポンプの設置スペースが確保できない場合又は設置すると推進管内の作業に支障が出るような場合は、吸引排土による掘削土砂の搬出も検討する。

  4. 泥濃式推進工法

    泥濃式推進推進工法における掘削土砂の搬出は吸引力により行われ、吸引不可能な大きさの礫をトロバケットにより搬出している。  吸引排土は、掘削と土砂搬出の調和状態を維持する必要があるが、吸引排土効率は掘進機操作員の技量に負うところが大きい。また、長距離推進になると吸引排土能力が不足する場合があり、吸引排土のために高濃度泥水の添加量を多くしなければならず産廃処理量が多くなる。したがって、複数台の吸引排土設備を設置し、段階輸送を行なうことも検討しておく必要がある。また、吸引排土できない大きい礫の運搬方法も検討しておく必要がある。

6.1.5 測量方法の検討

通常の推進と同様に、長距離推進における測量もトランシット・レベル等の測量機器を用いる方法が基本である。しかしながら、測量機器の視準可能距離には限度があり、これを超えると、推進管内に測量機器を据え付ける作業(盛り替え)が必要となる。測量機器の盛り替えは多くの時間と測量要員を必要とするため、盛り替え回数が多くなる長距離推進では、作業能率(日進量)の低下と工事費の増大を招くことになる。したがって、長距離推進においては、次にあげるような自動測量機能を備えた測量機器の使用が望ましい。

  1. トータルステーション

    トータルステーションは、測距、測角、演算等の機能を自動整準、自動追尾で行うことができるため、推進管内に設置することにより測量時間を短縮することができる。

  2. 水管式計測器(液圧差レベル計)

    水管式計測器(液圧差レベル計)は、位置検出が容易であり、計測結果の信頼性が高く計測距離の制約が少ないため、長距離施工における水準測量に適している。

6.1.6 作業員の安全性確保(推進管内作業の制限)

長距離施工においては、作業環境の整備と災害防止のために、通常の推進工法における設備とともに、特に、次の設備等について必要な措置と対策を講じなければならない。

  1. 監視設備

    推進管内(切羽部分)にセンサのみを設置して、坑外で推進管内の監視ができる遠隔監視装置を設ける。

  2. 換気設備

    推進管内の換気配管は、損失抵抗を計算し、推進管内の作業状況(人員・作業内容)に応じた風量を確保できる風圧を確保する。

  3. 照明設備

    推進管内の配線延長が長くなるため電圧降下が大きくなる。したがって、電圧降下が許容範囲内に収まる容量(太さ)の電気ケーブルを使用し、推進管内の照度を確保しなければならない。

    停電等に対応するため、別系統の照明または切羽部からの退避時間以上の点灯ができる非常灯を設置する。

  4. 通信・連絡設備

    推進管内と坑外の連絡設備を必ず設ける。また、停電等に対応するため、別系統の通信・連絡設備を設置する。

  5. 推進管内の水替え

    地下水位以下の推進工事で、下りまたは水平勾配の場合は、切羽部(掘進機)にポンプを設置して水替えを行わなければならない。

    特に、長距離推進においては、配水管の長さによる抵抗を考慮して、必要な揚程が確保できるポンプおよび排水管径を選定しなければならない。

  6. 退避設備
  7. 消火設備

6.2 曲線推進工

6.2.1 概要

市街地等における複雑な制約条件や工事費の低減から、推進工事は長距離化と併せて曲線推進の需要が増大している。曲線推進においては、掘進機および推進管が曲線上を進むために、相互に働く力の関係や継手部の状況が直線推進の場合と異なり、推進管の口径、管長、曲線部の延長、土質の状態、刃口又は掘進機の構造、施工方法(補助工法を含む)等により施工の可否が決定される。したがって、これらを正確に把握する必要があり、特に次の事項については、図2.6−4の計画フローにそって、十分な技術検討を行わなければならない。

  1. 曲線造成方法
  2. 管目地の開口長の算定と開口長の保持、開口にともなう継手部止水および管端保護
  3. 推進抵抗の算定と推進抵抗に伴う側方荷重に対する管の強度
  4. 測量方法

掘進機の最大折れ角の検討

曲線半径の検討

推進力の計算

曲線推進における許容推進力の検討

推進管端部における推進力伝達方法の検討

余堀り(拡幅掘削)の検討

地盤補強の検討

測量方法の検討

図2.6−4 曲線推進の計画フロ−

6.2.2 曲線造成方法

曲線造成にあたっては、刃口又は掘進機等の先導体を常に計画線上にのせるように留意しなければならない。

すなわち、施工にあたっては、管の軌跡が所定の計画線上にあるよう施工する。このためには、先導体が計画どおり方向を変えることと、先導体と管および管と管とが正確に曲折していることが重要である。

  1. 開放型の場合(刃口)

    開放型においては、刃口に方向制御ジャッキを設置し、これを操作することにより方向制御を行う。さらに、先頭管の後に補助ジャッキを使用する場合もある。

  2. 密閉型の場合(掘進機)
  3. 密閉型においては、掘進機の方向制御ジャッキの左右にストローク差を設けることにより方向制御を行う。さらに、複数の中折れ個所を設け補助ジャッキを装備する場合もある。

    一般に掘進機を所定の曲線軌道上にのせるためには、左右のストロ−ク差を計算値より若干大きくする。このストロ−ク差が確保できない場合は、押し引き兼用ジャッキの使用又は掘進機と推進管をテンションロッド(緊張鋼棒)により緊張する方法等も検討する。また、方向制御の操作においては、ストローク量と制御結果としての測量データを対比して、掘進機の曲進能力を把握しておくことが大切である。そのために、掘進初期の管内測量はできるだけ頻繁に行い、計画時に設定した制御量を見直して、最適な制御量を見つける必要がある。

    図2.6−5 曲線推進の状態(密閉型掘進機)平面図
    図2.6−5 曲線推進の状態(密閉型掘進機)平面図

  4. 掘進機の最大折れ角の検討

    掘進機の曲線造成能力は、曲線半径、掘進機の長さおよび掘進機の外径により算定された設計折れ角と、掘進機の方向制御ジャッキの折れ曲げ能力(最大折れ角)により検討する。

    1. 設計折れ角の算定

      掘進機の設計上の折れ曲げ量(設計折れ角)は、図2.6−6に示すように、掘進機前胴部先端面中心、中折れ箇所中心および後胴部後端面中心が、所定の曲線軌道上にあると仮定して式2.6−1で算定する。

      図2.6−6 掘進機の設計折れ角
      図2.6−6 掘進機の設計折れ角

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (式2.6−1)

    2. 掘進機の最大折れ角の算定

      ここに

      θ0 :掘進機の設計折れ角 (度)
      :掘進機前胴部先端面中心から中折れ箇所中心までの長さ
      (算定上の中折れ箇所は掘進機前胴部後端面中心とする)
      (m)
      :中折れ箇所中心から掘進機後胴部後端面中心までの長さ (m)
      :曲線半径 (m)
      :掘進機外径 (m)

      なお、図2.6−7に示すように、掘進機後胴部がプッシャーリング形式で、長さが前胴部に比べて短い場合は、前胴部の折れ曲げに対する後胴部の反力が不足する。このような場合は、プッシャーリングと推進管をテンションロッド等で緊結するなどの方法をとり、十分な反力が得られるような対策を行わなければならない。また、設計折れ角の算定に当たっては、掘進機の後胴部長(L)を、プッシャーリングと推進管を含めた長さとしなければならない。

      図2.6−7 プッシャーリングの場合
      図2.6−7 プッシャーリングの場合

    3. 掘進機の最大折れ角の算定

      掘進機を最大限に曲げることのできる最大折れ角(θmax)は、方向制御ジャッキのストロークと方向制御ジャッキの左右の取付け間隔により規定され、次式により求める。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2.6−2)

      ここに

      θmax :掘進機の設計折れ角 (度)
      :左右の方向制御ジャッキのストローク差 (m)
      :左右の方向制御ジャッキの取付け間隔 (m)

    4. 折れ曲げ能力(最大折れ角)の確認

      実際の曲線施工においては、レベル方向の制御および掘進機外側の地山反力の状況により、掘進機前胴部・後胴部間の折れ曲げ量の増減が必要になる。経験的に、掘進機の折れ曲げ能力(最大折れ角)は、設計折れ角の1.5倍程度の余裕を持たせるものとし、次式により確認する。

      θmax≧1.5・θ0

      また、曲線施工条件が厳しい場合は、掘進機の中折れ箇所を2ヵ所以上設けることも検討する必要がある。


      曲線推進は、このように刃口あるいは掘進機を折れ曲げ、外側地山の反力により曲線を形成しようとするものであるが、地山の反力が期待できない軟弱層においては、地山反力の確保のため地盤改良やガイド杭の打設が必要となる場合がある。

6.2.3 曲線半径の検討
  1. 推進管目地の開口長

    曲線部では図2.6−8に示すように推進管継手部の目地が開く。継手カラーに覆われている継手には許容開口長(抜出し長)が定められており、開口長さが許容値を超えると継手の止水性が損なわれる。したがって、開口長の制約により、曲線の最小半径は定まる。開口長、開口差および曲線半径との関係を次式に示す。

    =S+S・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2.6−3)

    ここに

    :曲線部外側目地の開口長
    :曲線部外側、内側目地の開口差
    :曲線部内側目地の開口長
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2.6−4)
    l 管長(m)
    管外径(図2.6−8に定義する管外径)
    曲線半径(m)

    なお、S4は管端部が直接接触して応力集中することを防止するため推進力伝達材を挿入するので折れ角により異なるが5o程度が必要となる。

    JA継手の場合、開口差(Sd)の限度を30oとする。

    したがって、式2.6−3より、開口長(S1)=35oとした場合の曲線半径の許容範囲の目安は表2.6−1に示す。

    表に見るように、最小曲線半径の目安は、標準管(?=2430o)を使用した場合、管径の約100倍となる。

    また、JB継手の場合の許容開口長は40o、JC継手の場合は60oと規格されているが、推進管の折れ角が大きく(曲線半径が小に)なると推進力伝達材が厚くなり、必然的に内側目地開口が大きくなるので、条件に応じて検討する必要がある。

    以上のように、設計に当たっては、まず、設計条件が表2.6−1の曲線半径の許容値に入るか否かを検討する。その結果、範囲外の場合には、カラー長の長い管あるいは半管や管長を短くした合製鋼管等の使用を検討する必要がある。

    ・・・(式2.6−5)

    ・・・(式2.6−6)

    ・・・(式2.6−7)
    はクッション材を挿入するので5mm程度を必要とする。

    図2.6−8 曲線推進に伴う曲線、開口長説明図
    図2.6−8 曲線推進に伴う曲線、開口長説明図

    表2.6−1 呼び径、曲線半径別、管継手部の開口差Sdと曲線半径の許容範囲

    呼び径 曲線半径R(m) 50 75 100 150 200 300 400 500
    管継手部の折れ角α
    2°49' 1°52' 1°24' 56' 42' 28' 21' 17'
    800 930 22.5 30.3 22.7 15.1 11.3 7.5 5.7 4.5
    900 1050 25.4 16.9 25.6 17.1 12.8 8.5 6.4 5.1
    1000 1170 28.4 18.9 28.6 19.0 14.3 9.5 7.1 5.7
    1100 1280   20.7 15.5 20.8 15.6 10.4 7.8 6.2
    1200 1400   22.6 16.9 22.8 17.1 11.4 8.5 6.8
    1350 1560   25.2 18.9 25.4 19.0 12.7 9.5 7.6
    1500 1740   28.2 21.1 28.4 21.2 14.1 10.6 8.5
    1650 1910     23.1 15.4 23.3 15.5 11.6 9.3
    1800 2080     25.2 16.8 25.4 16.9 12.7 10.1
    2000 2310     28.0 18.6 28.2 18.8 14.1 11.3
    2200 2540     30.9 20.5 15.3 20.7 15.5 12.4
    2400 2760       22.3 16.7 22.5 16.8 13.5
    2600 2990       24.2 18.1 24.3 18.2 14.6
    2800 3220       26.0 19.5 26.2 19.6 15.7
    3000 3450       27.9 20.9 28.1 21.0 16.8

    注:本表はJA管(標準管)の許容開口差を示している。JA継手の場合、許容開口差Sdは安全を考慮して30mmとしている。

    (凡例)

    線の上は2.43m管、下は1.2m管である。

    ※管継手部の折れ角αは呼び径および管長により異なるが、本表に示す数値は計算結果を四捨五入し分単位でまとめたものである。

  2. 目地開口長の保持

    管を計画した曲線に沿って推進するためには管継手部の目地開口長をほぼ計画値に保つ必要がある。

    目地開口長を保持するためには、各継手部に開口部保持材を挿入する。

    開口部保持材は、推進力負荷時に管きょ端面を防護する推進力伝達材の役目を果たすため、推進力が管きょ端面の広い範囲に均等に負荷できる構造のものでなければならない。

    保持材には、現在次のようなものが使用されている。

    (1)推進力伝達材(図2.6−9)

    (2)開口調整材(図2.6−10)

    図2.6−9 推進力伝達材による目地開口長の保持例、図2.6−10 開口調整材による目地開口長の保持例

    図2.6−9
    推進力伝達材による目地開口長の保持例

    図2.6−10
    開口調整材による目地開口長の保持例

  3. 継手部止水方法

    1. 推進中の止水

      推進中の管継手からの漏水は推進施工の中断や中止にもなりかねない重大トラブルであるので、慎重に止水方法を検討しなければならない。管継手部の目地開口長を設計値に保持することは困難で、10o程度のバラツキが出ることもある。この点も考慮して管種、管径、管長等により目地開口長が許容値以下になるように計画する。目地開口長と止水ゴムの関係を図2.6−11に示す。

      図2.6−11 目地開口長と止水ゴムの関係

      図2.6−11 目地開口長と止水ゴムの関係

    2. 推進完了後の止水

      曲線部では目地幅が広くなるので、目地部の充填材および施工には注意が必要である。

6.2.4 推進力の計算

曲線推進は、直線推進における推進抵抗のほかに、推進力の曲線外側方向への分力による管外壁面との摩擦抵抗が負荷されるので、その分推進力が増加する。

曲線推進抵抗の計算は、刃口又は掘進機の通過した軌跡を推進管が円滑に追従すると仮定し、図2.6−12から以下により求める。

図2.6−12 曲線推進抵抗説明図

図2.6−12 曲線推進抵抗説明図

図2.6−12(a)において

:刃口(掘進機)の先端抵抗力(kN)
1’ :第1本目の管の直線推進の抵抗力(kN)
:第2管目より第1管目に加わる推進力(kN)
:推進分力(kN)
:曲線部分の推進分力に対する管と土との摩擦係数(=tan(φ/2))
α :第1管と第2管の折れ角( °)

とすると、図2.6−12(b)より、

1=(F0+F1’+k・F1・sinα)secα

同様に

2=(F1+F2’+k・F2・sinα)secα

2=(F3+F2’+k・F3・sinα)secα


上式から

ここで

とすると

2={K(F0+F1’)+F2’)}K=K(F0+F1’)+K・F2

同様に

3=K3(F0+F1’)+K・F2’+K・F3

したがって

n=Kn(F0+F1’)+Kn−1・F2’+Kn−2・F3’・・・・・+KFn

ここで

F’=F1’=F2’=F3’= Fn’とすると

n=F・K+F’・Σ

また、先端抵抗力F0の項を除いた曲線部の推進抵抗と直線部の推進抵抗の比率(λ)を

とすると

n=F0+F’・n・λ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2.6−8)

ここに、

n :管n本の曲線推進の抵抗力(kN)
0 :先端抵抗力(kN)
:推進分力(kN)
α :隣接する推進管の折れ角
(=2sin−1
ただし l :管の長さ (m)
R :曲線半径 (m)
D :管の外径 (m)
IA :交角
:曲線部の推進分力に対する管と土との摩擦係数(=tan(φ/2)) ただし、φ<15°の場合はφ=15°として算出する。
:曲線区間の推進管本数 (本)
F’ :管1本当たりの直線推進の抵抗力  (kN/本)
λ :曲線推進と直線推進の推進抵抗比率(先端抵抗力F0の項を除く)

表2.6−2に算出例を示す。

?? ??
ヒューム管本数n
曲線内側半径
50m
75m
100m
150m
200m
300m
400m
500m
管継手部の折れ角
α
2°49'

1°52'

1°24'
56'
42'
28'
21'
17'
1
1.015
1.009
1.007
1.005
1.003
1.002
1.002
1.001
2
 
1.023
1.014
1.011
1.008
1.005
1.003
1.003
1.002
3
1.030
1.018
1.014
1.010
1.006
1.004
1.004
1.002
4
1.038
1.023
1.018
1.013
1.008
1.005
1.005
1.003
5
1.046
1.027
1.021
1.015
1.009
1.006
1.006
1.003
6
 10本の場合
1.054
1.032
1.025
1.018
1.011
1.007
1.007
1.004
7
1.062
1.037
1.028
1.020
1.012
1.008
1.008
1.004
8
1.070
1.041
1.032
1.023
1.014
1.009
1.009
1.005
9
1.078
1.046
1.036
1.025
1.015
1.010
1.010
1.005
10
1.086
1.051
1.039
1.028
1.017
1.011
1.011
1.006
11
 
1.095
1.056
1.043
1.031
1.018
1.012
1.012
1.006
12
1.103
1.060
1.047
1.033
1.020
1.013
1.013
1.007
13
1.112
1.065
1.050
1.036
1.021
1.014
1.014
1.007
14
1.120
1.070
1.054
1.038
1.023
1.015
1.015
1.008
15
1.129
1.075
1.058
1.041
1.024
1.016
1.016
1.008
16
 
1.138
1.080
1.062
1.044
1.026
1.017
1.017
1.009
17
1.146
1.085
1.065
1.046
1.027
1.018
1.018
1.009
18
1.155
1.090
1.069
1.049
1.0??29
1.019
1.019
1.010
19
1.164
1.095
1.073
1.052
1.031
1.020
1.020
1.010
20
1.174
1.100
1.077
1.054
1.032
1.021
1.021
1.011
21
 
1.183
1.105
1.081
1.057
1.034
1.022
1.022
1.011
22
1.192
1.110
1.085
1.060
1.035
1.023
1.023
1.012
23
??
1.201
1.115
1.088
1.062
1.037
1.024
1.024
1.012
24
1.211
1.121
1.092
1.065
1.038
1.025
1.025
1.013
25
1.221
1.126
1.096
1.068
1.040
1.026
1.026
1.013
26
 
1.230
1.131
1.100
1.070
1.042
1.027
1.027
1.014
27
1.240
1.136
1.104
1.073
1.043
??
1.028
1.028
1.014
28
1.250
1.142
1.108
1.076
1.045
1.030
1.030
1.015
29
1.260
1.147
1.112
1.079
1.046
1.031
1.031
1.015
30
1.270
1.152
1.116
1.081
1.048
1.032
1.032
1.016
31
 
1.280
1.158
1.120
1.084
1.049
1.033
1.033
1.016
32
1.291
1.163
1.124
1.087
1.051
1.034
1.034
1.017
33
1.301
1.169
1.128
1.090
1.053
1.035
1.035
1.017
34
1.312
1.174
1.132
1.093
1.054
1.036
1.036
1.018
35
1.322
1.180
1.137
1.095
1.056
1.037
1.037
1.018
36
 
1.333
1.185
1.141
1.098
1.057
1.038
1.038
1.019
37
 
1.344
1.191
1.145
1.101
1.059
1.039
1.039
1.019
38
 
1.355
1.197
1.149
1.104
1.061
1.040
1.040
1.020
39
 
1.366
1.202
1.153
1.107
1.062
1.041
1.041
1.020
40
 
1.377
1.208
1.157
1.109
1.064
1.042
1.042
1.021
41
 
1.388
1.214
1.162
1.112
1.066
1.043
1.043
1.021
42
 
1.400
1.220
1.166
1.115
1.067
1.044
1.044
1.022
43
 
1.411
1.225
1.170
1.118
1.069
1.045
1.045
1.022
44
 
1.423
1.231
1.175
1.121
1.070
1.046
1.046
1.023
45
 
1.435
1.237
1.179
1.124
1.072
1.047
1.047
1.023
46
 
1.447
1.243
1.183
1.127
1.074
1.048
1.048
1.024
47
1.459
1.249
1.188
1.130
1.075
1.050
1.050
1.024
48
1.471
1.255
1.192
1.133
1.077
1.051
1.051
1.025
49
1.483
1.261
1.196
1.136
1.079
1.052
1.052
1.025
50
1.496
1.267
1.201
1.139
1.080
1.053
1.053
1.026

※管継手部の折れ角αは呼び径および管長により異なるが本表は、管長2.43mの場合の折れ角を四捨五入し分単位でまとめた数値を使用し、Kの有効桁数を小数点以下3桁として計算した結果を示している。


また、図2.6−13のような推進区間途中に曲線を含む路線における一般式を(式2.6−9)に示す。


図2.6−13 曲線推進路線の例

F=〔F+f・l〕K+f・CL・λ+f・l・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2.6−9)

ここに

:推進力(kN)
0 :先端抵抗力(kN)
:1m当たりの直線推進の抵抗力(kN/m)
l :EC点から到達立坑までの距離(m)
:推進分力(kN)
α :隣接する推進管の折れ角
(=2sin−1
ただし l :管の長さ (m)
R :曲線半径 (m)
D :管の外径 (m)
IA :交角
:曲線部の推進分力に対する管と土との摩擦係数(=tan(φ/2)) ただし、φ<15°の場合はφ=15°として算出する。
:曲線区間の推進管本数 (本)
λ :曲線推進と直線推進の推進抵抗比率(先端抵抗力F0の項を除く)
CL :曲線区間の長さ(m)
:発進立坑からBC点までの距離(m)

上記算定式は折れ線状に並んだ推進管の幾何学的関係から導き出されたものであるが、推進管の長さを無限小として数学的に導き出された算定式を(式2.6−10)に示す。

F=(F+f・l)eμθ (eμθ−1)+f・l・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2.6−10)
:推進力(kN)
0 :先端抵抗力(kN)
:1m当たりの直線推進の抵抗力(kN/m)
l :EC点から到達立坑までの距離(m)
:自然対数の底  e=2.718・・・
μ :摩擦係数
θ :曲線区間の中心角(rad)1rad=57.29578・・・
:曲線半径
:発進立坑からBC点までの距離(m)

実際の管列は折れ線状になっているが、折れ線(管長)と曲線半径の比が20程度以上であれば、円弧とみなしてもさしつかえなく、(式2.6−9)と(式2.6−10)は、ほぼ同じ計算結果が得られる。半径が小さい場合には半分の長さの推進管を用いるので、通常はこの比が20以上となる。

(式2.6−10)では1つの数式で表わされているので計算手順が簡素であり、路線に複数の曲線が含まれている場合等では計算が容易である。

6.2.5 曲線推進における許容推進力の検討

曲線区間では推進管が折れ線状になっており、推進力には水平分力が発生する。この水平分力に対抗する地盤反力が推進管に側方荷重として作用する。水平分力は、曲線開始点(BC点)で最大となる。また、管に作用する側方荷重(地盤反力)の許容最大値は、管の許容等分布側圧(管の保証等分布耐荷力)と分布範囲から求まる。従って、BC点における水平分力と許容最大側方荷重の釣り合い条件式から許容推進力を求めることができる。

前記の前提となる地盤反力の分布範囲については、従来の設計方法は軸方向の分布範囲を管長のL/4に固定していたが、「曲線部における許容推進力の算定に関する共同研究(平成14年3月、(社)日本下水道管渠推進技術協会、全国ヒューム管協会)」により、軸方向の分布範囲を推進管の形状により変化させる式(影響範囲係数)が提案された。本編では、この提案を基にした許容推進力の算定式を示す。

なお、従来の計算においては周方向の分布範囲を180°(2r)としていたが、地山の状況により分布幅が狭くなることが考えられることから、本算定式では地盤反力の周方向の分布範囲を90°(√2r)としている。

  1. 許容推進力の算定

    図2.6−14に、推進力、水平分力、側方荷重及び側方荷重の分布範囲を模式図として示す。

    図2.6−14 BC点に於ける水平分力と側方荷重の模式図
    図2.6−14 BC点に於ける水平分力と側方荷重の模式図

    模式図から、水平分力と許容最大側方荷重の釣り合い条件式は、次式で与えられる。

    aBC・sinα=2×1/2×L/η×√2r×q

    ここで、「コンクリート標準示方書」における安全係数の概念を基に、荷重係数および部材係数の安全係数を考慮し、曲線推進における推進管の安全率を1.5とすると、許容推進力の算定式は次のようになる。

    aBC・・・・(式2.6−11)

    ここに

    aBC :BC点における許容推進力(kN)
    (ただし、管の許容耐荷力を越えないものとする)
    :推進管の有効長(m)
    η :影響範囲係数
     周方向の分布範囲を90°とした場合
     η=−13.917Rt−0.579RL+10.506Rt×RL+2.033
    t :管厚比=t/Di
    L :管厚比=L/Di
    Di :推進管の内径
    :推進管の管厚
    :管の許容等分布側圧(管の保証等分布耐荷力) (kN/u)
     qa=(0.318P・r+0.239W・r)/(0.239r2)
    :外圧試験荷重
    :管厚中心半径
    :推進管の自重
    α :管1本当たりの折れ角

    影響範囲係数ηの計算結果を表2.6−3に示す。

    表2.6−3 影響範囲係数η
    呼び径
    800
    900
    1000
    1100
    1200
    1350
    1500
    1650
    1800
    2000
    管厚(o)
    80
    90
    100
    105
    115
    125
    140
    150
    160
    175
    管長
    2.43
    2.07
    1.19
    1.79
    1.64
    1.57
    1.45
    1.38
    1.32
    1.28
    1.23
    1.20
    1.35
    1.27
    1.21
    1.17
    1.13
    1.09
    1.06
    1.04
    1.03
    1.02

    呼び径
    2200
    2400
    2600
    2800
    3000
    管厚(o)
    190
    205
    220
    235
    250
    管長
    2.43
    1.19
    1.17
    1.15
    1.13
    1.11
    1.20
    1.01
    1.00
    1.00
    1.00
    1.00
    影響範囲係数η(≧1.0)

    管の許容等分布側圧(管の保証等分布耐荷力)を表2.6−4に示す。

    表2.6−4 許容等分布側圧qa
    管種
    呼び径
    管厚
    o
    r
    W
    外厚強さP
    抵抗曲げモーメント
    許容等分布側圧
    m
    kN/m
    kN/m
    Ma kN/m
    qa kN/u
    1種
    800
    80
    0.4400
    5.31
    35.4
    5.511
    119.112
    900
    90
    04950
    6.72
    38.3
    6.824
    116.521
    1,000
    100
    0.5500
    8.29
    41.2
    8.296
    114.749
    1,100
    105
    0.6025
    9.54
    42.7
    9.555
    110.131
    1,200
    115
    0.6575
    11.40
    44.2
    11.033
    106.787
    1,350
    125
    0.7375
    13.90
    47.1
    13.496
    103.824
    1,500
    140
    0.8200
    17.31
    50.1
    16.457
    102.404
    1,650
    150
    0.9000
    20.36
    53.0
    19.548
    100.974
    1,800
    160
    0.9800
    23.64
    55.9
    22.959
    100.023
    2,000
    175
    1.0875
    28.70
    58.9
    27.828
    98.453
    2,200
    190
    1.1950
    34.24
    61.8
    33.263
    97.461
    2,400
    205
    1.3025
    40.26
    64.8
    39.374
    97.108
    2,600
    220
    1.4100
    46.78
    67.7
    46.119
    97.060
    2,800
    235
    1.5175
    53.78
    70.7
    53.621
    97.427
    3,000
    250
    1.6250
    61.26
    73.6
    61.825
    97.963
    2種
    800
    80
    0.4400
    5.31
    70.7
    10.451
    225.858
    900
    90
    0.4950
    6.72
    76.5
    12.837
    219.201
    1,000
    100
    0.5500
    8.29
    82.4
    15.502
    214.419
    1,100
    105
    0.6025
    9.54
    85.4
    17.736
    204.429
    1,200
    115
    0.6575
    11.40
    88.3
    20.254
    196.029
    1,350
    125
    0.7375
    13.90
    94.2
    24.543
    188.798
    1,500
    140
    0.8200
    17.31
    101.0
    29.729
    184.996
    1,650
    150
    0.9000
    20.36
    106.0
    34.716
    179.328
    1,800
    160
    0.9800
    23.64
    112.0
    40.442
    176.190
    2,000
    175
    1.0875
    28.70
    118.0
    48.266
    170.761
    2,200
    190
    1.1950
    34.24
    124.0
    56.900
    166.716
    2,400
    205
    1.3025
    40.26
    130.0
    66.380
    163.712
    2,600
    220
    1.4100
    46.78
    136.0
    76.743
    161.511
    2,800
    235
    1.5175
    53.78
    142.0
    88.028
    159.943
    3,000
    250
    1.6250
    61.26
    148.0
    100.271
    158.881

    許容推進力の計算結果を表2.6−5に示す。

    表2.6−5 BC点における許容推進力FaBC(kN)
    表2.6−5 BC点における許容推進力FaBC(kN)

  2. 適用可能曲線長の目安

    曲線長の許容範囲は、管継手部開口長と曲線半径、測量器機の管内での盛替回数、管の推進方向の許容耐荷力等により決定される。

    参考として、次の2項目を満たした場合の適用可能曲線長の目安を表2.6−6に示す。

    1. 曲線半径が表2.6−1に示した範囲内である。
    2. 1m当りの周面抵抗力を5kN/uに設定した場合に、BC点における推進抵抗が管の推進方向の許容耐荷力の範囲内である。

    なお、計画する曲線長が適用可能曲線長を越える場合は、管種の変更(1種→2種)、中押工法の採用等を考慮する必要がある。

    表2.6−6 適用可能曲線長目安(周面抵抗力5kN/u、φ=30°)
    (単位:m)
    呼び径
    曲線半径(R)m
    75
    100
    150
    200
    300
    800
    97
    126
    132
    139
    143
    900
     
    135
    150
    159
    164
    1,000
     
    141
    167
    178
    184
    1,100
       
    176
    189
    195
    1,200
       
    192
    208
    215
    1,350
       
    200
    216
    225
    1,500
       
    223
    244
    255
    1,650
         
    263
    274
    呼び径
    曲線半径(R)m
    75
    100
    150
    200
    300
    1,800
         
    281
    294
    2,000
         
    307
    322
    2,200
           
    350
    2,400
           
    367
    2,600
           
    394
    2,800
           
    420
    3,000
           
    446

    注:曲線半径R(m)を求めるにあたり、管継ぎ手部の折れ角αは呼び径および管長により異なるが、本表は、折れ角を四捨五入し分単位でまとめた数値を使用し、標準管(有効長 2.43m)を用いた場合の結果を示している。

  3. 6.2.6 推進管端部における推進力伝達方法の検討

    曲線区間では推進管が折れ線状になっているため、推進管は曲線の内側で接触する状態となり、内側が推力の伝達経路となる。接触状態は点接触(ポイントタッチ)なので応力が集中して管が破損しやすい。この対策として推進力伝達材を挿入する方法があり、推進力および曲線半径に応じて用いる。推進力伝達材は曲線区間および曲線区間を通過する推進管の継手部に図2.6−15のように左右を空隙として上下に挿入し、推進力伝達材の塑性変形と弾性変形を利用して、推進力を管の上下に分散する。実用上、継ぎ目の狭い側の目地開口長S4は最小で5o程度になるように推進力伝達材を入れる。推進力伝達材はある程度の弾性範囲を有し、かつ、ひずみが大きくなると塑性変形を示すものがよい。推進力伝達材の面積は推進管端部面積の約1/2程度とする。

    図2.6−15 曲線区間中の推進力伝達材、図2.6−16 元押ジャッキの負荷方法
    図2.6−15 曲線区間中の推進力伝達材 図2.6−16 元押ジャッキの負荷方法

    なお、管長の短い管(半管、1/3管)や大口径管に推進力伝達材を使用する場合は、元押ジャッキの負荷位置によって管にせん断応力および曲げ応力が働き管きょが破損することがあるので、図2.6−16に示すように推進力伝達材と推進力負荷位置および押輪の剛性を検討し、推進管の安全性を確保しなければならない。

6.2.7 余掘りの検討

曲線施工においては、図2.6−17に示すように曲線上を折れ線状の推進管が通過するため、曲線に見合う余掘り(拡幅掘削)を確実に行わなければならない。余掘りは、図2.6−18に示すようにコピーカッタで曲線内側の必要な部分のみ掘削することが望ましいが、掘削径がシールドに比べ比較的小さい推進工法では、図2.6−19に示すようにカッタヘッドにオーバカッタを設け、同心円に切削する方法が用いられる。この方法は、曲線に必要のない領域も掘削することになるため、地山の安定が十分でないと管頂部の崩壊、管列の外側へのずれ、管のせり上がり現象等が起きることがある。これを防止するため、余掘り部には空隙充填効果のための滑材注入を充分に行う必要がある。

図2.6−17 余掘り説明図
図2.6−17 余掘り説明図

図2.6−18 コピーカッタによる余掘り
図2.6−18 コピーカッタによる余掘り

図2.6−19 オーバカッタによる余掘り
図2.6−19 オーバカッタによる余掘り

 余掘り量は曲線半径、推進管あるいは掘進機の外径および長さにより決まる。図2.6−17における余掘り量は式(2.6−12)で算定する。

ここで

:余掘り量(m)
:曲線半径(m)
:推進管あるいは掘進機の外径(m)
l 推進管あるいは掘進機の長さ(m)

また、曲線半径と折れ角度および余掘り量の関係を表2.6−7に示す。

表2.6−7 曲線半径Rと折れ角α度および余掘り量の関係
曲線半径R(m)
50
75
100
150
200
300
400
500
折れ角度α(度)
2°49’
1°52’
1°24’
0°56’
0°42’
0°28’
0°21’
0°17’
余掘り量m(o)
15
10
8
5
4
3
2
2

注 管の継ぎ手部の折れ角αおよび余掘り量mは推進管あるいは掘進機の外径(D)および長さにより異なるが、本表に示す数値は管の有効長が2.43mの場合で、折れ角を四捨五入し分単位でまとめたものおよび余掘り量をmm単位で切り上げたものである。

なお、開放型(刃口式)の場合は、主として先掘りにより余掘りを行う。(図2.6−20)

図2.6−20 開放型(刃口式)の余掘り方法
図2.6−20 開放型(刃口式)の余掘り方法

6.2.8 地盤補強の検討

曲線推進では、推進力の曲線外側方向への分力により、管列が外側に張り出そうとする。これに対して、地盤に十分な強度(地盤反力)がない場合は、線形の維持ができなくなる。

このような場合は、推進路線の外側に垂直に強固な地盤改良や連続壁を施工し、地盤を補強する必要がある。(図2.6−21(a)参照)

ただし、補強部は部分的に掘削しなければならず、固すぎると推進速度が低下する。

したがって、一般的には図2.6−21(b)に示すような範囲を溶液型薬液注入工法で地盤改良する方法が用いられている。

図2.6−21 曲線部の地盤補強例
図2.6−21 曲線部の地盤補強例

6.2.9 測量方法の検討

曲線推進では、推進管列が折れ曲がっているため、測量機器で視準できる距離が図2.6−22,23に示すように限定される。したがって、長距離における測量以上に推進管内に測量機器を据え付ける作業(盛り替え)が多くなる。測量機器の盛り替えには、多くの時間と測量要員を必要とするため、次にあげるような自動測量機能を備えた測量機器の使用が望ましい。

  1. ジャイロコンパス
  2. トータルステーション
  3. 水管式計測器(液圧差レベル計)

図2.6−22 1回のトランシット測量長、図2.6−23 トランシット据付位置と視準範囲
図2.6−22 1回のトランシット測量長 図2.6−23 トランシット据付位置と視準範囲